著者:万城目学
評価:☆☆☆☆☆☆
カウント:2冊目@2015年
西遊記、三国志等を踏まえた物語や、「史記」を書いた司馬遷等に関する物語等、中国を舞台とした短篇集です。
万城目学氏といえば、関西を舞台に少々ふざけた世界観で遊ぶ、というのがこれまでの作品でしたが、随分とテイストが異なります。ファンタジー感はなく、じっくりと登場人物たちの心理を掘り下げていく物語ばかりです。全然エンターテイメント感はないけれど、登場人物たちの心の動きがどんどんストーリーに引き込んでいきます。
どれもこれもかなりのクオリティですが、強いて一番の好みを挙げるとすると「父司馬遷」でしょうか。決して父親の愛情を受けたとは言えない娘が、出獄し、抜け殻のようになっている父親に自分の感情をぶつけて動かす姿には、なんとも心を揺さぶられました。
是非とも読んでいただきたい本。おすすめです。
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