2012年4月27日金曜日

書籍:「病院」が東北を救う日

著者:北原茂実
評価:☆☆☆
カウント:50冊目@2012

北原氏による、医療を中心とした東北復興策を提言した本。行動力と熱い情熱があり、更にそこにやや宗教めいた怪しさがある(単なる比喩です)。

東日本大震災から半年程度で上梓された本なので、前著と比べると、実現済みの内容は少ない。しかしながら、そうは言っても東北に医療物資その他をすぐに届けたり、経済産業省と話をしたり、女川の人たちとプロジェクトを立ち上げたりといったことは既になされているようです。著者のその行動力には脱帽です。

「赤字はダメ」「施しではダメ」という一貫した姿勢はとても良い。また、医療を中心に町を復興させたり、高齢者を働き手としてみなしたりするのもいいことだと考えます。
医療体制が整備されていないと高齢者が単に単純被保護者となってしまい、東北だけでなく、日本全体として成り立ちません。

途中、「善意」の人を翻意させるのが一番難しい、旨の記載がありました。本当にその通りです。善意なんて、殆ど宗教の教義みたいなもんですよね。一度信じたら、もう変えられない。

2012年4月26日木曜日

雑感:資格不適格者

売る踏ん切りがつかないまま、ズルズル保有し続けている株があります。
私は、その会社はきっと10年以内に事業ごとにバラバラに切売りされているだろうと予測しています。つまり、その会社の未来を全く信じておりません。応援する気も賭けてみようという気もさらさら無いので、早晩手を引くのがいいだろうと考えています。
が、損切りという、投資家に必須の資格が全く欠如している私は、「神様、もう少しだけ。上がって!!」と、つい祈ってしまいたくなります。

ま、これだけ上がらないってことは、あの会社に未来がないと考えているのが私だけじゃないってことでしょうね。それはよくわかる。株が上がる要素を何一つ思いつけないもの。

書籍:「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる!

著者:北原茂実
評価:☆☆☆
カウント:49冊目@2012

八王子で病院を経営する著者による、医療の未来へ向けた提言。医療というガチガチの規制産業で、現在の法律の規制の範囲内でちゃんと実現しているところが凄い。
著者の一番の主張は、「医療の産業化」、それに付随するものとして、1)国民皆保険制度のリセット、2)カンボジアを始めとする海外への医療輸出、他って感じですかね。

医療の産業化は大賛成。市場経済において「医は仁術」とかって綺麗事を言っていても何も進みません。株式会社化でも何でもやるべきです。プレーヤの多い直接金融の方が、寡占化/硬直化した間接金融よりも優れた仕組みです。
また、国主導の医療制度疲弊は明らかです。保険点数やら何やら、国による規制なんて馬鹿げた話です。ソ連を始めとする社会主義国家が次々と倒れたように、何にしろ国が規制して上手くいくものなんてあろうはずがありません。国民皆保険制度の廃止も、特に依存はありません(正直なところ私にも不安はありますが、このまま座して待つ(制度微修正含む)よりは、チャレンジすべきだろうと考えております)。

しかし、平等的考え方の日本人/日本の医療を理想的なものとして捉えているところはどうかなぁと感じます。海堂尊氏もそうですが、医者は医療を崇高なものと捉えすぎていると思う。

医療を輸出産業として捉えているところはなかなか凄い。私は医療なんて典型的な内需型産業だと考えていたので、目からウロコが落ちる思いでした。考えが柔軟&視野が広い。

<オススメ度>うーん。特に(笑)。モチベーションアップ?

書籍:「ニート」って言うな!

著者:本田由紀、内藤朝雄、後藤和智
評価:☆☆☆
カウント:48冊目@2012

「ニート」を若者や親等の責任と捉える社会風潮に対して反論した本。いわゆる「ひきこもり」と同様の概念として捉える有識者(笑)たちやマスコミの認識の誤り、特に「ニート」の概念を日本で立ち上げた玄田氏ら主張に対し、データを示して痛烈に批判している。

この本を読むと、如何にマスコミや社会学者たちが適当に社会問題をでっち上げているかがよく分かる。イギリスからNEETという言葉を輸入したにも関わらず、意味合いや定義、問題点を全く変えて取り扱ってしまったこと、いわゆるひきこもり型のニートは全く増えていないこと、等を著者たちは次々と明らかにしている。

3人目の著者である後藤氏によるマスコミ論調の分析は、ものすごく面白い。マスコミの論調が如何に馬鹿げた内容であるかを、原文を示しながら痛烈に批判しているのは愉快。
一方、本田氏、内藤氏の主張はものすごく根拠が希薄で、その姿勢は、根拠無くニート問題をでっち上げた玄田氏やマスコミたちのものと同じです。どうせなら、ニート問題に対して反論したのと同程度以上に根拠を示しながら自分たちの主張を展開すべきだと考えます。
特に、本田氏(ちなみに、現東大教授)はあまりにも文章及び論理が稚拙すぎます。後半は根拠無く主張を展開して「思います」「思われます」「考えられます」を連発しているので、読者である私は辟易しました。学者としての資質を疑います(勿論、推測と事実とを混同するよりはマシですが)。

3人の中で圧倒的に若く、社会学者でもない(当時、工学部の大学院生)後藤氏の文章が一番マトモという悲しい事実は、もしかすると日本社会の現状(=中高年の能力が最も劣る)を端的に示しているのかもしれない、というのが、読了後に私が抱いた感想です。

2012年4月24日火曜日

雑感:自画自賛

ここのところ、iPadアプリの某ゲームにハマっていたのですが、廃人になりそうだったのでアンインストールしました。エライ、俺!

なぜゲームってハマってしまうんでしょうね?ハマるゲームの要素は、(1)ゲームをする際のハードルの低さ、(2)頻繁にアクセスしないと事態が後退する(若しくは進まない)、(3)スキル向上を実感できるor戦略面等で奥深さがある、あたりでしょうか。
特に、(1)(2)は、短期間でゲーム廃人を生み出すための絶対条件ですね。私が一時期はまっていたMobageの怪盗ロワイヤルなんて、その最たるものです。超短期間で、ゲームにアクセスしていないと不安な状態(=廃人)となり、ついには金をつぎ込むようになりました。怖い怖い。

ゲームに限らず、人間を廃人化するアルゴリズムがわかれば、ビジネスを起こせそうな気がするなぁ。ま、私はそんなビジネスをやりたいとは思わないけど。

…ここから、規制反対論を滔々と展開しようかと思ったけど、自粛しました。エライ、俺!

雑感:弁護士を弁護するかどうか

司法試験の合格者数年3000人達成の目標に対し、総務省が是正を求めているようです。理由は目標と実績との乖離が大きい、等が挙げられています。これらの問題提起は、新聞その他でこれまで報道されていた問題点と同様です。
今回の総務省の報告書に関し、私にはよくわからないことがたくさんあります。

<疑問1>目標と実績との乖離はなぜだろう?
なぜ、目標と実績とが乖離するのでしょうか?3,000人で合格ラインを設定すればいいだけの話なので、目標未達なんてあり得ないはずです。「合格者を増やすと困る誰か」が、裏で動いているのだろうとしか思えません。
法科大学院の定員割れ等も問題化していますが、合格率が上がれば、定員割れも防げるだろうと思います。

<疑問2>合格者が増えれば質が低下するのか?
競争激化が「できる」弁護士を増やすのではないかと考えます。
数が増える=質低下、とはよく言われる話ですが、それはあくまで底辺に着目した場合の話に過ぎません。
数が少ない=競争が少ない=平均的質の低下(競争抑制は共産主義的に質の低下を招く)、が普通ではないかと考えます。少なくとも、「できる」弁護士は、総数を増やした方が間違いなく増えます。

<疑問3>法律事務所に就職できないことは問題か?
弁護士業で直接的に食べていけない人が増えれば、他の分野で生きる道を模索する弁護士が増えるはずです。今はまだ、職にあぶれた弁護士全体を雇うだけの十分なニーズは企業側にはないでしょうが、これから企業内弁護士が増えていけば、企業活動に於ける法務リスク低減だけでなく、(弁護士資格を持った)事業的ビジネスパーソンも増えるでしょう(法的思考力は、事業にも活かせるだろうと考えます)。法的バックグラウンドをちゃんと持った政治家も増えるだろうと考えます。
このような新たな弁護士の可能性開拓は、司法試験合格者のインフレ無くしては難しいでしょう。


何が言いたいかというと、「司法試験合格者数は、目標通り3,000人とすべき(増やしてもOK)。是正するのは早すぎる」。ガンガン競争を導入しちゃいましょう!!

…ま、ムリでしょうね。所詮日本は社会主義国家ですからね。ははは。

書籍:7つの習慣―成功には原則があった!

著者:スティーブン・R. コヴィー
訳者:ジェームス・スキナー、川西茂
評価:☆☆☆☆☆☆
カウント:47冊目@2012

この本は、人生を前向きにうまく回転させるための心がけ?をまとめている。ビジネス書とよりは、生きていく指南書に近い。まとめると、1)何事もインサイド・アウト。2)刺激と反応との間にはスペースがある。いろんな事象はコントロール可能なものと考えることは、精神衛生上良い。

それ程大したことを書いているわけではない(それぞれ、分けてどこかで聞いたことはあるだろうと思います)。しかしながら、このような形で纏めて提示されると、新たに気付かされる部分や考えさせられる部分も多い。この本では、抽象論だけだとわかりにくい部分は具体的事例を交えて書かれているので、実践的に理解を深めることができるように工夫されている。
ベストセラーになるのはわかります。何度も読み返して実践していきたい。そう思いながらも、残念な私はダラダラとテレビを眺めてしまいます。

<オススメ度>非常に内省的な本なので、合うかどうかはその人次第って感じですかね。

書籍:体幹力を上げるコアトレーニング

著者:木場克己
評価:☆☆☆
カウント:46冊目@2012

ストレッチは写真でもある程度できるんだけど、どうも筋トレは写真だとやり方がイマイチわからない。

体幹トレーニングで、腰痛を治します!…続くかどうかは神のみぞ知る。

2012年4月20日金曜日

雑感:曖昧な記事

東京電力の退職者数が460人に達したそうです。東電の社員数は約39,000人のようなので、100人に1.2人が1年間で辞めた計算です。

…希望退職者があまりに少なくて驚きました。
部署辺りの在籍人数を平均20名と仮定すると、5つの部署が集まって、ようやく1人しか辞めないんですよ?すごい。

この他に、定年退職の方々がいらっしゃいます。ザクっと雇用期間40年、各世代に平均的に労働者が分布していると仮定すると、39,000人/40年で、定年退職が1年で約1,000人(年齢が上がると出向、退職等で社外に出る人が増えるので、実数値はもっと少ないでしょうけど)。
つまり、希望退職+定年退職で、年間約1,500人が退職している計算になります。

一方、昨年10月に纏めた「緊急特別事業計画」では、平成25年度末までに、グループで7,400人、単体で3,600の人員削減を目標としているようです。ということは、1,500人/年程度の退職では、600人目標未達となってしまいます。

にもかかわらず、前述の記事によると、東京電力と労働組合との間で「現在の人員や給与の削減水準維持」が合意されたようです。
「削減水準維持」って、どういう意味なんだろう?人員削減目標である3,600人を維持するってことだろうか。年間1,500人程度の退職水準を維持するってことだろうか。前者であれば、「もっともっと積極的に社員を辞めさせなきゃ!」だし、後者であれば、「目標未達に合意!」です。どちらにしても、よくわからないな。

つまりは、世の中にはよくわからないことがたくさんあるってことですかね。

雑感:納豆食う?

相変わらず、細かくお金の計算をしています。
クビにならない限りは乗りきれるはずではあるけれども、年金、住民税、健康保険料等を考えると頭が痛くなってきます。ここ数ヶ月で、私は一体いくら国に払うんだ?信じらんない。
こんなに税金その他もろもろ支払ってるのに、赤字国債発行するなんて絶対に許せません。政治家たちに殺意すら覚えます。さっさと借金返せよ!年金、保険料その他の支払い抑えろよ!!
これというのも、日本社会全体が決められない病に罹っているからに違いありません。あー、もう!

ところで、なかなか話が進まないものの1つに原発問題があります。
このような問題が生じると、バカの1つ覚えのように「国民が納得できるように説明を」と尤もらしく発言する人たちをニュース等で見かけるようになります。私には、この発言がものすごくナンセンスなものに感じます。こんなものを取り上げるマスコミの神経が理解できません。

「国民が納得できるように説明を」への疑問

<疑問1>「国民」とは誰を指すのか?
そもそも、「国民」と一括りにしたところで、いろんな人がいます。「国民全員」を求めているのか、「国民の一部」を意味しているのかがわかりません。 もし仮に、「国民全員」の納得を求めているなら、そんなことは実現不可能なので(山本太郎氏とか?)、その意見は、表現を変えた「原発再開反対」に他なりません。
もし、「国民の一部」で良いのであれば、それが「国民の過半数」を指すのか、「影響の大きそうな近隣に住んでいる国民」(全員or一部)を指すのか、それとも「その意見を発言している個人(=その人は国民を代表しているつもり)」を指しているのか、その辺りを明確にしていただきたいものです(私は、最後じゃないかと推測しますが)。

<疑問2>「納得できる説明」とは何か?
説明されて、本当に納得できるのでしょうか。
原発問題が発生してから1年くらいが経過し、大方の人(7~8割程度?)は、既に原発再開派と再開反対派とにわかれているだろうと思います。そして、反対派の人を納得させる必要があるのであれば、それはかなり困難であろうと思います。
そして、もし仮に、反対派の人達の多くが説明されれば納得することがあるとしても(かなり大きな仮定)、その際に多大な説明を要するのであれば(多くの説明を要する人が大多数だろうと考えます)、実質的に「原発再開反対」を意味するものと考えます。

<疑問3>そもそも、政府が国民に説明できるのか?
自分から政府発表その他にアクセスしようとしない限り、普通の人たち(国民)が情報に接する際には、「政府発表 ⇒ マスコミ ⇒ 国民」という流れを取るかと思います。
このルートを考えると、以下の理由で、政府がどうがんばったところで国民には説明できません。
(1)ニュース/新聞等は、政府発表をそのまま伝えるわけではなく、ある程度(都合のいいように?)取捨選択して報道する。その際に、ニュース/新聞は、自分たちの主張と共に報道する。この時点で、「政府による国民への説明」という趣旨は大幅に損なわれてしまう。
(2)ニュース/新聞等を全く見ない人がかなりの割合存在する。その人達に対しては、電話/訪問等により直接アプローチしない限り、政府は説明不可能。そして、全員への電話/訪問等による説明を求めるのであれば、実現不可能な要求なので、その人の考えは「原発再開反対」を意味する。

上記疑問をまとめると、「国民が納得できるように説明を」という意見は、(1)実現不可能なほどに曖昧模糊としたものであり、かつ、(2)実際に実行不可能な内容ではないか、というのが、私がナンセンスだと判断する理由です。

尚、誤解されると困るのですが、政府に説明する必要が無い、と言っているわけではありません。原発を再開したいのは政府側なので、政府側に説明責任があるのは論を待ちません。


あー、税金からよくわからないところに話が変わってしまった。またか。

書籍:極北

著者:マーセル・セロー
訳者:村上春樹
評価:☆☆☆☆☆☆
カウント:45冊目@2012

温暖化が進むと共に荒廃した世界に生きる主人公の物語。あとがきによると、著者は、チェルノブイリの立入禁止区域に済む女性にインタビューした際に、この物語の着想を得たそうです。すごく納得できるきっかけではある。しかしながら、その女性の先にこんな物語をズルズルと生み出せる作者の想像力は驚異的だと思う。

訳者である村上氏があとがきに書いているように、この物語は、ものすごくお腹にズシッと溜まる。ものすごく陰鬱な話なのに、ついつい先が気になって読み進めてしまう。読むのをやめられなくなる。
読了後は、悲惨さよりもラストの若干の明るさが心に残りました。それも不思議。

<オススメ度>マックス。こんな面白い本、読まない手はありません。面白さを文章で表現できない自分がもどかしい。

2012年4月16日月曜日

雑感:価値評価

日経電子版の有料会員が20万人を突破したそうです。なぜそれほど多くの人々が電子版を利用するのか、私には全く理解できません。

私が電子版を利用しない理由は以下の通りです。
(1)4000円という価格。販売店や印刷が不要になるにも関わらず、宅配と価格が殆ど変わらないのは強気すぎます。信じられません。
(2)紙の方が電子版より一覧性に勝る。画面上の制約があるので、面積を考えても、「どんな記事が記載されているのか?」を知るには、紙媒体が優れるように思います。
(3)電子版ならではの機能に魅力を感じない。記事の保存や印刷などの機能があるようです。しかしながら、ネット上にデータが十分にある今、わざわざ保存しようとは思いません(ブックマークで十分)。そもそも、スクラップするような習慣も無いですし。

私のニーズをまとめると「紙媒体には独自の良さ(電子版の不便さ)があり(上記2)、一方で電子版としてのメリットはあまり魅力に感じない(上記3)。でも、価格がもう少し安ければ、我慢して電子版に移行してもいいかな(上記1)?」というものです。
数式で表すと、以下の不等式が私の中で成立しています。
 (一覧性によるメリット)―(電子版による便利さ(見込))>4,383円―4,000円
電子版の会員20万人に関しては、上記不等式が逆か、或いは紙と電子版を両方購入(+1000円)するブルジョワジーかのいずれかだと推測されます。どちらなのか、データを入手したいものです。

使ってみれば「電子版による便利さ」がすごく大きい可能性もあるので、試してみるのはありかな。

書籍:入門 考える技術・書く技術

著者:山崎康司
評価:☆☆☆☆☆
カウント:44冊目@2012

多分、読むのは3回目。何度読んでも、バーバラ・ミントの「考える技術・書く技術」のエッセンスがあまりにもスッキリと纏められていることに感動する。
何度でも読んで身体に染み込ませたい本。

この本を元に世の中に流通しているパワポ等の資料を見ると、なんとヒドい纏め方をしているものが多いのかと愕然とする。勿論、私が作る資料もしかり。ははは。

2012年4月13日金曜日

書籍:解任

著者:マイケル・ウッドフォード
評価:☆☆☆☆
カウント:43冊目@2012

オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏が、解任に至るまでの経緯を綴った本。
記載の薄さは否めないけれども、辞任に至る経緯はよく分かる。オリンパスの中心部が腐っているのも間違いない。他の企業だって、(粉飾しているかどうかは別としても)似たような文化の企業はたくさんあると思う。そして、マスコミも腐っている。日本という社会を、心から恥ずかしく感じました。たとえ少しずつでも何とかしたい。

ウッドフォード氏は菊川陣営の脇が甘さを不可解なものとして記述している。そもそもウッドフォード氏を社長にしなければよかったし、ウッドフォード氏に求められた資料を渡さなければよかったし、ウッドフォード氏をもっと早目に解任すれば良かった。こういった行動を取っていれば、きっとウッドフォード氏に告発されることなく(もうしばらくの間は)事態を水面下に留めることができたはず。それにも関わらずこのような事態を招いてしまったのは、菊川陣営の(日本人的?)脇の甘さに他ならないように感じる。
菊川陣営の行動は、ウッドフォード氏が慎重に物事を進め、尾行されているのでは無いかと心配し、危険を感じるようになってからあまり日本に帰らなくなった点と比べると、極めて対照的。
勿論、私の危機管理能力の低さ(脇の甘さ)には比べるべくもないです。私から見ると、ウッドフォード氏ってなんて危機意識の強い人なんだろうと思ってしまうけれど、一方でこれが世界標準のような気もする。

あくまで事態を隠蔽しようとし続けるオリンパス経営陣の対応もさることながら、マスコミの対応もヒドすぎる。なんなんだ、日本のマスコミの役割って。しばらく事態を取り上げなかった(小さめにしか扱わなかった)理由について、最低1週間は、1面掲載で自戒と今後の改善対応(マニフェスト)を書いて欲しいくらいです。
小沢一郎や亀井静香等も含め、渦中の人物たちの情報発信の場が既存メディアからニコニコ動画とかに流れつつある事態をもっと重く受け止めるべき。

この本を読んで受けた私の印象で根拠は無いのだけれど、全ての黒幕は銀行じゃないかと感じさせる。もしそうだとすれば、三井住友銀行から社長を迎えるなんてちゃんちゃらおかしい茶番劇です。是非、ウッドフォード氏に社長に復帰して、少しでも日本企業文化に開けた風穴を広げていただきたい。
そして、今回の事件を見ても、外から人材を登用する(オリンパスの社内、という意味ではウッドフォード氏は「内から」だけれど、国の外から、という意味で)ことの重要さは明らかです。失敗事例(ストリンガー@ソニーとか?)をことさら大きく解釈するのではなく、今回のような事例のもつ社会的意義を、皆がちゃんと把握する必要がある。

前述の通り、記載が薄いのは残念。今度出版される続編に期待。

映画:劇場版 SPEC〜天〜

監督:堤幸彦
評価:☆☆☆
公式サイト
カウント:15本@2012

ドラマSPECシリーズの映画化。
流し餃子等、至るところで小ネタを満載にすることでマニアックさを演出する辺り、これぞSPECワールド。何より、加瀬亮のキレキャラは面白い。時間が止まる映像ってどうやって撮影してるんですかね?あれ、何度見ても不思議。

でもなぁ。面白かったかと言われると、そんなこと無い。
SPECの能力って、何でもアリすぎて面白く無い。SPECという特殊能力を持たせること自体は良いとしても、非現実なりの一貫性があるともっと見やすくなると思う。
ストーリーも、展開が早くていろんなことを詰め込んでいる割には、どこか単調さを感じる。

ケイゾクの熱狂的ファンだった私としては、なんか勿体ない気がする作品。ま、そう言いながら続編も見るでしょうけど。

2012年4月11日水曜日

書籍:The Indifference Engine

著者:伊藤計劃
評価:☆☆☆☆
カウント:42冊目@2012

最近、至る所に平積みされている伊藤計劃氏の著者の中・短編小説集。大半が、少なくとも一部に暴力を扱ったSFです。
結構短く、一方で複雑な設定である割には、どの話も過剰な説明無しにちゃんと世界観を立ち上げて物語を展開させることに成功している。

"From the Nothing, With Love"は結構好み。メタ構造(っていうのかな?)を持った話って複雑であまりよくできないのだけれど、その頭をひねらされる感じが良い。
しかし、率直に言って、大半の物語はあまり好みではない。何が気に入らないのかよくわからないけれど。ゲームやアニメでの既視感やリアリティの欠如を感じるからだろうか。

読む作品、「ハーモニー」にすればよかったな。ミスった。

映画:マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

監督:フィリダ・ロイド
評価:☆☆☆☆☆
公式サイト
カウント:14本@2012

元イギリス首相のマーガレット・サッチャーの半生を描いた映画。ベースとしては、認知症を患っている現代のサッチャーが、断片的に過去を思い出していく、という形を取っている。
鉄の女と言われた断固とした首相像だけでなく、認知症を患い、もはや首相ではなくなった1人の年老いた女性として、夫の妻としての姿も描くことで、1人の人間、1人の女性としてのサッチャーを視聴者に提示している。そして、サッチャーが1人の人間として感じられるからこそ、1人の(弱いはずの)人間が、あそこまでの断固とした姿勢を貫けるのか、と驚愕することができる。よくできた映画。

メリル・ストリープは本当に素晴らしい。現在のサッチャーは本当にヨボヨボに見えるし、首相時代のサッチャーは、断固として妥協しない「鉄の女」に見える。
ついでに言うと、タイトルは、原題の「The Iron Lady」の方がいいと思う。特に「涙」をタイトルに入れるのはやめて欲しい。なぜ日本は「幸せ」とか「涙」とか「笑顔」とかをタイトルに入れたがるんだろう。

日本にも、こういう首相欲しいなぁ、と強く思いました。保守的な政策はいろいろと私とは相容れないので、そういう意味では困る部分もいっぱいあるだろうけど、断固とした姿勢=リーダーシップ、それが日本に求められているのだと思う。
道端にゴミ袋が山積みになるくらいにならないと、ああいう人は出てこないのかなぁ。

2012年4月9日月曜日

雑感:勇気

東芝が、新入社員の研修の一環として漁業を支援するそうです。東芝の公式発表を読んでみたのですが、私には全く理解できませんでした。私の疑問は以下の通りです。

(1)研修効果についての疑問
そもそも、売上に繋がらない行為を研修としてやらせることが信じられません。社員に「売上げに繋がらなくてもいいんだ」という教育をするから、利益率が低い(東芝の売上利益率は2%)んじゃないかとすら思ってしまいます。
もし、「直接的には企業利益に結びついていなくとも、仮に企業イメージ向上に役だっている」という主張をするなら、研修では、今回の支援に係るコスト(新入社員の人件費、往復の交通費、研修を取り仕切る総務?の人件費、その他もろもろ)と、向上する企業イメージに相当する利益とを概算させる(企業イメージってどうやって金銭換算するんだろう?)、くらいやって欲しいものです。

次に、このようなボランティアにかかる活動は、本来個人の自発的な意志に基づくものであり、業務の一環で行われることでは無いはずです。
新入社員がワラワラと集まって、決められた作業(根拠はありませんが、研修ですから作業は予め決められているだろうと推測します)やらされる場面を想像しても、その行為が「社会貢献活動の意義や重要性を体感し、各自の役割・使命・社会的責任の重要性を考え行動できる人材となる機会」となるためには、新入社員がかなりの想像力を持つ必要があるように感じます。少なくとも、私が新入社員であれば、全く研修効果を得られる自信がありません。
更に言えば、今回の研修を通じて「各自の役割・使命・社会的責任の重要性を考え行動できる人材」となった新入社員は、一定数東芝を退職するのではないかと愚考します。

(2)支援行為に対する疑問
まず、この活動は、市場機会を奪っています。震災から1年であり、そろそろ復興需要も拡大しようとするところ、このような活動を無償で(きっと無償ですよね?)やってしまうことにより、現地の復興需要の拡大がその分だけ損なわれてしまいます。ワカメ生産に必要な作業を可能とする資金を寄付した方が、現地経済の活性化に貢献できると考えます。
(勿論、震災直後等の圧倒的に需要が供給を上回っている場合には、ボランティアは必要です)

そして、なぜワカメ生産の支援なのか。東芝の事業に全く無関係です(もしかすると、私の想像の及ばない範囲でビジネスがあるのでしょうか)。どうせなら、原発周辺若しくは避難者の方々に対して何らかの行為をする方が好ましいのではないかと考えます。

数万人の叡智が集まった企業の研修が深慮により実施されていることは私にも推察できるので、上記記載は、あくまで理解できない私の思慮の浅さを恥じるものです。東芝を批判または愚弄するものでは全くありませんのであしからず。

雑感:島めぐり

先日「痛快!ビッグダディ」の放送がありました。前々回くらいから見始めてすっかりハマっております。本当に何かもが凄い。
1)家族関係
・家族が多すぎ&複雑すぎ。
・これまでの家族の経緯を説明できない(覚えきれない)。主題歌通り「さすらい」、もとい「漂流」。
・なんだかんだ言って、結構金持ち(パソコン2台、プリンタ、グッチの財布、等)。

2)放送局(テレビ朝日)
・何が痛快なのか全くわからない。
・ほのぼのとしたナレーション。あり得ない行為の数々を「これがビッグダディ流」と言われても、「何がやねん」としか言いようがない。
・一般人2人の夫婦喧嘩を堂々と日本中に放映している(今回、放映時間の2~3割はケンカだったんじゃないだろうか)。
・正月特番(1/2,1/4)でこんな番組を流すところ。

3)ビッグダディ自身
・ビッグダディと美奈子氏のケンカは、何を話しているのか全くわからない。意志の疎通が図れる気がしない。
・ビッグダディが、あまりに自分勝手。
・繁殖力。
勿論、ある程度ヤラセだろうとは思うのだけれど(最近、FRIDAYでも特集が組まれていましたね)、ヤラセにしてはあまりに想像を絶する展開なので、リアルなんじゃないかと思ってしまう。あんな脚本書ける脚本家(or演出家)がいたら、その人は一生食っていけるんじゃないだろうか。
尚、ビッグダディに金を渡しているんじゃないかという話がネット上その他で流れています(上記FRIDAYにも記載がありました)。それに関しては、何の問題もないと思います。むしろ、生活(人生)をかけている分、普通の芸能人より多額の出演料を渡してもいいんじゃないでしょうか。

そして、GWに早速続編放送決定。すげぇ。見ちゃうな。絶対に見ちゃう。なんで1ヶ月後の予約録画を設定できないんだろう。

雑感:お告げ

昨日、東京体育館に行きましたところ、「改修のためプールは2013年3月まで休館」である旨の張り紙が出されていました。ショックのあまり、膝から崩れ落ちそうでした。
きっとこれは、1年間マジメに勉強しろというメッセージなのだろうと思います。勉強しましょう。一方で、今、読みたい本が多すぎて勉強どころじゃないよ!と思ったりしている私もいるけれど。

そう、私には読みたい本が溢れ過ぎているために「本を読む時間が足りない!」とフラストレーションを抱える時期と、読みたい本が見当たらないためにフラストレーションを抱える時期とが訪れます。それって普通のことだとも思うのだけれど、平均的に読みたい本に出会えると、もっと幸せなのになぁとも思います。

読みたい本がたくさんある時期は、本の金鉱を見つけた時です。今はちきりん氏を主な鉱脈としています。この他、今まで出会った鉱脈としてはコンサル(就活には失敗したけど(笑))、村上春樹、光文社古典新訳文庫、等がありました。鉱脈を見つけると、そこから次、次とどんどん新たな興味が広がっていくので、読みたい本が爆発的に増えていきます。インフレーション状態。
一方、鉱脈が枯渇気味のときは辛いですねぇ。ま、そういう時期は、優先順位が低かった本とかを読めるいい機会だったりするんですが。

書籍:社長は労働法をこう使え!

著者:向井蘭
評価:☆☆☆☆1/2
カウント:41冊目@2012

企業側から雇用に係る法律問題を取り扱った本。タイトルを見ると企業側が横暴を働くための本であるように見えるけれども、比較的客観的に(公平に)労働法の実務を描いていると思う。

私自身が労働者側の人間なので、これまでは主にそちら側の視点で雇用問題を考えてきました。しかし、この本を読んで、使用者側も結構大変だなぁということを実感できました。想像以上に解雇や給与カットが難しい。企業側にとっては、ほとんど「雇ったら終わり」。全然パフォーマンスを上げられなくても、被使用者ってずっと働き続けられるんですね。想像以上に労働者が強くてビックリしました。

でもなぁ。「モンスター」になるには、社会倫理上どうかと思う(周りに思われる)ことまでやる相当な覚悟が必要となるので、そういった覚悟がない限りモンスターになれないということが、労働者が弱者である証拠だと思う。

あと、労働法の遵守が如何に難しいかも知りました。世間の大半の企業は、労働法違反だと思う。私が過去に務めた会社に関しても、「してやられたな」、と思わされる部分がいくつもありました(一部は、薄々気づいてはいたけれど)。

<オススメ度>法律の本であるにも関わらず、すごく面白い。身近な実例もふんだんに取り込まれているので、興味を持って最後まで一気に読めると思います。オススメ。

2012年4月6日金曜日

書籍:7割は課長にさえなれません

著者:城繁幸
評価:☆☆☆☆
カウント:40冊目@2012

著者によると、「若者はなぜ3年で辞めるのか」「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」に続く三部作完結編とのこと。「課長になれない」なんて事実に焦点を当てているわけではなく、仮説的労働者のストーリーを提示すると共に、著者の考える労働政策を提案している。仮説的労働者のストーリーは、ちょっとステレオタイプ&人工的すぎるので、むしろ説得力を損なっているように感じる。著者の主張に関しては、他の本と同様、裏付けに乏しい反面、説得力はある。

非正規雇用者は、「リスクが高く」「給与が低い」制度だという、考えてみれば当然の事実を新しい事実として認識しました。ありえへん。そんな制度、絶対に許されたらアカンと思う。(当然、「解雇リスクが低く」「給与が高い」正規雇用者もアカンと思う)
やっぱ、終身雇用って廃止すべきだよなぁ。職務給に一本化すべきという著者の意見に、私も賛成です。

(以下、自戒も含めた記載)
そもそも、「会社に入ったら安泰」なんてことを信じること自体が異常。思考停止に陥ったことを反省(猛省)すべき。変わらなければ、廃れるだけ。現状維持が可能だという考えは、単なる幻想です。

雇用の流動化には全面的に(諸手を上げて)賛成です。しかしながら、雇用の流動化が進むと、45~50歳位の非管理職は結構厳しいだろうなぁ。たとえ完全に雇用が自由化した上で、年齢や経歴による差別が全くなくなったとしても(職能のみにより採用されるようになったとしても)、そう簡単に再就職先が見つかるとは思えない。結局、痛みを若者に押し付けるか、定年を数えている人に押し付けているかの違いのようにも思える。

しかしこの点、上述の通り「思考停止に陥った」点で中高年に過失があるので(それこそが自己責任)、私は、若者にやさしい社会を構築すべきだと考えます。

書籍:3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代

著者:城繁幸
評価:☆☆☆☆
カウント:39冊目@2012

基本的には、「若者はなぜ3年で辞めるのか?」と同じ系統の主張。転職後の進路にスポットを当てたインタビューもいくつかあるけれど、主張の奥行き、幅広さといった面では、「なぜ3年で辞めるのか」に軍配が上がるように感じる。
一部の(著者のストーリーに合った)人たちのインタビューだけでは、<本当に>どこに行ったのか、はそれ程明確ではない。この点、ある程度統計的なデータが欲しい。

現在の社会構造を変えないかぎりは大企業で働くことが大きなリスクであることを、社会全体が認識できればいいけれど。

2012年4月5日木曜日

書籍:若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

著者:城繁幸
評価:☆☆☆☆☆
カウント:38冊目@2012

著者は、年功序列制度を維持しようとすることが、若年層の失業率上昇や再チャレンジの困難化、非正社員の雇用不安定化/給与水準低下、ひいては少子化といった各種社会問題の原因となっている、と主張している。
私はこれまで、「年功序列って問題だし、維持できないよなぁ」という漠然とした思いしか抱いていませんでした。しかしながら、この問題の根深さは想像以上。著者の主張には、「誇張しすぎなんじゃないの?」と簡単には否定できない、圧倒的な説得力がある。そして何より、私の過去の会社人生における経験を振り返ってみても、「そういえば」「確かに」と思い当たるフシがいっぱいある。ここまで来ると、ほとんどホラー。怖すぎる。

「現状維持」や「漸進的改善」という選択肢がどれくらいリスクの高いものであるかがよくわかる。一次が万事。変わらなきゃ。

<オススメ度>読んだ方がいいです、是非とも。恐ろしいほどにリアリティがありすぎて、私は一気に読んでしまいました。

2012年4月4日水曜日

雑感:大企業を辞めるという合理的な選択

ちきりん氏、私が自覚していなかった感覚を、ものすごく的確に言語化している。すごい。感動しました。

雑感:バクダンジュース

私の敬愛するスガシカオ氏は、昨年10月に、オフィスオーガスタを独立なさいました。現在は個人として活動されています。独立のニュースを聞いたとき、ファンである私は、「新曲ちゃんと発売されるのかな?」「このままフェードアウトして、スガシカオの音楽が聴けなくなったらどうしよう」といった不安がアタマを過ぎりました。

しかしながら、その後、スガシカオ氏は、ライブツアーを1人で回ったり、facebookを始めたり、MLを開始したりと、着実に活動なさっています。こうした活動により、ファンである私は、これまでよりも、彼を身近に感じることができるようになりました。音楽の良さの1つは、きっと個人的な体験であると同時に、その体験を他の人と共有できる点にあるかと思います。彼の行動は、この音楽の本質に近づくものではないかなぁと、愚考しております。

既存のビジネスモデルがそう簡単に崩れるとは思いません。しかしながら、それに立ち向かおうとするドン・キホーテのようなスガシカオ氏を応援してやみません。


…おお、なんかとても青臭く(嘘くさく)なってしまった。文章力が乏しいと、こういうことになっちゃうから困ったものです。

書籍:イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル

著者:クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー、ハル・グレガーセン
訳者:櫻井祐子
評価:☆☆☆☆
カウント:37冊目@2012

アマゾン、セールスフォース・ドットコム、RIM、デルといったイノベーティブな企業のCEO及び企業文化を調査することにより、イノベーションを起こす発見力を纏めている。

イノベーションのジレンマ」に比べると、主張自体の面白さや目新しさは無い。一方で、「イノベーションを起こせる資質がありますか?」と(企業だけでなく)読み手である個人に絶えず訴えかけてくるので、身近な問題を取り扱った本だと感じる。
この手の人文社会学系の本は、どうしても「著者の意見に合うように適当に纏めたんでしょ?」という怪しさが伴うのが通常であるところ、この本は、ちゃんと数値化/グラフ化して見せているところに主張の重さがあるように見える(勿論、数値なんていくらでも恣意的に操作できます)。この辺りはアメリカっぽい。
イノベーティブな企業のCEOたちの考え方を知ることができる点や、私の知らないイノベーティブな企業の姿を知ることができる点等は、非常に勉強になりました。

私は、残念ながら実行に重きをおいてしまうので、イノベータとしては明らかに能力不足です。しかし、努力次第で後天的にイノベータになれる可能性はあると思うので(本書でもそのように主張されています)、勇気を持って失敗していきたいところです。できるかなぁ。

2012年4月3日火曜日

雑感:病

昨年の転職時に、国民年金の加入手続を行いました。クレジットカードのポイントをつけるために選択したクレジットカード払いにより、毎月年金保険料を支払っておりました(ちなみに、保険料の割引額は、口座引落しの方がお得です)。

昨日、日本年金機構からお知らせを受け取りました。そのお知らせの中には、5月に18万請求する、と記載されていたので、仰天しました。
なぜこんなにもビックリしてしまったかというと、私が、昨年の国民年金加入時に割引に目が眩んで1年分一括払いを選択したのを忘れていたためです。勿論、支払いを予定してなかった私が悪いんです。でも、この時期に18万というのはかなりキツイ。クレジットカードの限度額が70万であり、又、日々の生活の支払いをほぼクレジットカードで済ませている私にとって、18万のインパクトはかなり大きいです(Viewカード(ビックカメラSuica)の一番の不満は、限度額が低すぎる点にあります)。
解決手法の1つとして、クレジットカードの借入金を繰上げ返済するという手法はあります。しかしながら、保有資産の大半を投資信託と株、ETFが占める私にとって、この金額の現金を用意するのは結構苦しいです。困った。

保有資産の一定割合を現金で持つ必要があることは、もう何年も前から承知しています。しかしながら、現金を持っていると1)使ってしまう、2)投資したくなる、という病を抱えているので、なかなか現金保有残高が上がりません。そもそも、資産自体がそれほど増えていません。そして、しばらくは出費続くんだよなぁ。困ったものだ。

書籍:1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉後編

著者:村上春樹
評価:☆☆☆☆☆
カウント:36冊目@2012

青豆と天吾の2つのストーリーのうち、青豆側のストーリーが強いように感じる。なぜだろうか。青豆さんは、よくわからない状況に巻き込まれながらも、その中を強い核となる意志を持って歩んでいる。一方の天吾には流された状況に抗おうとする意志があまり感じられない。その差だろうか。そう思うと、男性って情けないな。

2012年4月2日月曜日

雑感:自炊×2生活

ScanSnap1500をゲットしまして、自炊デビューを果たしました。スキャン速度はたしかに早く、サクサク動きます。スキャン対象の紙を、一度にたくさん入れられるようになるともっとうれしい。
裁断機は高い&場所を取るので、Kinko'sで裁断してもらいました。料金はリーズナブルだし(1冊105円)、家に裁断機を置かずに済むメリットはかなり大きい。仕上がりもとても綺麗でした。大きなデメリットは、Kinko'sまで行くのが面倒だということ。自転車に乗ればたいした距離ではなくとも、日頃徒歩圏内で生活を済ませている身としては結構腰が重いわけです。

自炊した本を読むのかどうかには、ちょっと疑問が残ります。日頃、歩きながら本を読んでいるのですが、iPadを持ちながら歩くのはさすがにちょっと抵抗があります。何より、結構重いです。

「読み歩き」に関する話題としては、嘘か誠か、二宮金次郎像の撤去が進んでいるそうです。銅像の撤去が「読み歩き助長」との解釈にあるのかどうか私は知りませんが、読み歩きが危険であるのは間違いありません。私自身が、身を持って実証済みです。人とぶつかりそうになって白い目で見られるのはしょっちゅうですし、ときどき柱等の障害物にぶつかります。
読み歩きに類似する行為として「歩きながらの携帯の操作」を挙げられる場合があります。確かに、携帯を操作しながら歩く行為も本や新聞の読み歩きと同様に危険ではありますが、私の認識では、読み歩きの方がより危険であり、悪質度の高い行為です。その理由としては、1)新聞や本の方が、携帯よりも面積が広い(視界を遮る面積が広い)、2)携帯は片手でも操作可能だが、新聞や本は両手で持つ必要がある、3)短時間では終わらない(携帯で通常扱われるコンテンツよりも長い)、等があります。

以上説明したように、読み歩きは危険かつ周囲に迷惑をかける行為であり、携帯の操作以前に、各位が速やかに自粛すべきものです。「ただ歩いている時間が勿体ない」という意見は、周りの迷惑や本人の安全を鑑みない利己的かつ狭窄的視野に基づくものであり、到底受け入れられるものではありません。少なくとも、屋外や人通りの多い場所では、前を見て歩くべきだと主張します。
尚、時に私の一般論的主張と私の行動とは、相矛盾することがありますが、それはまた別問題です。

自炊から始まり、よくわからない結論になってしまいました。困ったものです。

書籍:世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記

著者:竹内健
評価:☆☆☆☆
カウント:35冊目@2012

東芝でフラッシュメモリの開発に携わり(研究者)、MBAを取り、フラッシュメモリ事業を引っ張り、そして現在は東大の准教授をしている著者の半生記といったところ。「仕事術」と銘打っている割には、著者の個人的体験しか書かれていない。
# 最近、タイトルと中身にギャップの大きい本が多い気がする。出版社の戦略だと思うけれど、是非やめていただきたい。

タイトルの問題はともかくとして、内容は結構面白い。ベンチャー起業家が半生を振り返る、みたいな本は結構あると思うけれど、大企業出身、しかもMBA取って事業面の思考回路も持っている、というところにかなり目新しさがある。東芝の研究者やっていて、この視野の広さを持てるのはかなり凄い。そして、事業の視点を持って開発(研究)を進められる人間ってすごく貴重だと思うので、是非竹内氏には頑張っていただきたい。更に言えば、ベンチャーを起こして成功することで、産学の間にある壁を流動化させてしまって欲しい。

読んでいると、私はなんと3流なのか、とヘコんできました。私もがんばんなきゃね。

<おススメ度>頑張りたい人は是非!モチベーションは間違いなく上がる。

映画:ダンシング・チャップリン

監督:周防正行
評価:☆☆☆
公式サイト
カウント:13本@2012

2部構成で、前半が「ダンシング・チャップリン」の撮影に至るまでのローラン・プティ氏と周防監督との映像化へ向けた相談や草刈民代とルイジ・ボニーノ等の練習風景のドキュメンタリー、後半が「ダンシング・チャップリン」の映像化。
2つを1つに見せるのではなく、2つバラバラにした方が良かったんじゃないかと思う。順序も、逆の方が好みかなぁ。結論を見せてもらって、実は舞台裏では…という方が面白かったような気がする。1部の舞台裏も、個々としては面白い要素がつまっているのだけれど(練習時のやり取りなど)、全体として何を描きたかったのか、がよくわからない。

バレエはこれまで全く見たことが無いので、どの程度普通の演目と異なるのかわからないけれど、元となるチャップリンの映画があるので、あまりバレエっぽくはないんじゃないかという気がする。当然無声なので、何を描きたいのかなぁと想像しながら見るのは結構楽しかったです。