2013年8月31日土曜日

書籍:日本式モノづくりの敗戦-なぜ米中企業に勝てなくなったのか(Kindle)

著者:野口悠紀雄
評価:☆☆☆☆☆
カウント:41冊目@2013

この本のポイントを列挙すると、大体こんな感じ↓

・製造業に固執するのは愚か(金融業やIT等への産業のシフトが必要)
・製造業やるにしても、今までどおり垂直統合やってちゃダメ。
・製造業の海外への流出は止めようがないし、止めるべきでもない。
・日本は金融業が弱すぎ。
・安易にアジアへ進出しても利益は上がらない。
・国が庇護し始めたら産業として終わり。
・とにかく国を開こう!!

問題点の指摘や著者の主張は極めて明確です。わかりやすい。そして、いちいち数字がきちんと提示され、根拠が述べられるのが気持ちいいです。経済学は数字で裏付けられるべきなのに、ここまで数字がどんどん出てくる日本の経済系の本ってなかなかないです。素晴らしい。他の経済学者にも是非見習っていただきたいし、経済の議論はこのようにして展開されるべきだと思う。

良いと思います。うん。
ただ、野口悠紀雄氏による日本の未来への提言って、全部ほぼ同じ内容ですよね。もちろん、毎回違っても困るんだけど。

2013年8月26日月曜日

書籍:オレたちバブル入行組(Kindle)

著者:池井戸潤
評価:☆☆☆☆
カウント:40冊目@2013

現在放映中のドラマ「半沢直樹」の原作本。本作はドラマの第1部に相当します。

大体のストーリーはドラマと同じなのだけれど、細かい設定やストーリーが違います。例えば、原作ではあまりフィーチャーされていない美樹がドラマでは自分の人生を選ぶ強い女性(壇蜜氏)として描かれていたり、小木曽次長の追い詰め方に鞄を順番にひっくり返していく劇的な演出がドラマには入っていたり、奥さんである花のキャラクタが全然違ったり、といった点です。
映像化されたものを見ると幻滅する作品が多い中で、「半沢直樹」の脚本が、原作の面白さを最大限に活かしつつ、どうすればより劇的に演出できるか、という点をよく考えてストーリーが練られていることがわかります。素晴らしい脚色です。

勿論、本作もとても面白いです。一度ストーリーの世界に入ると、読むのを止められなくなります。が、ドラマ⇒原作の順だと、どうしてもドラマの映像が頭に浮かんできてしまうので、小説としてのクオリティを冷静に判断できません。勿論、面白いことは間違いありません。

続編の「オレたち花のバブル組」は、ドラマの第2部が終わってから読みます。

2013年8月21日水曜日

雑感:長い歴史

ネット上に文章を書き始めてから結構経ちます。アドレスは色々と分かれていますが、多分、15年近いと思います。振り返ってみると、長い。

だからといって、その間アクセス数は全く伸びていないので、私のブログが炎上することも無ければ、どこかから書籍化を持ちかけられたりすることもありません(そもそも、書籍化するような内容でもない)。ただ、ネットの片隅でブログ書いてるだけ。

ネット上で文章を書くことにどれだけ意味があるのか?と訊かれると、正直言って答えられません。ただ好きで書いてるだけなんです、特に意味はありません、としか言いようがない。でもまぁ、楽しいのは間違いないです。多分、何かしら癒されているのかもしれません。

だから、最近は昔ほど書けないけれど、今のところ、やめる予定はありません。誰かが読んでくださっても読んでくださらなくとも、それは関係ないです。

夏の終わりに。

書籍:未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる(Kindle)

著者:ちきりん
評価:☆☆☆☆☆
カウント:39冊目@2013

Kindle化に伴う再読
メッセージを端的にまとめると、「大学を卒業したら大企業へ就職、20代前半で結婚、子供を作り、30歳前後で家を買い、定年までローンを払いながら働く」という人生プランなんてオワコンだし、ホントにそれで幸せなの?もっとちゃんと考えましょうね、というお話。

人口減が続く今、定年が70歳くらいまで延長されることは十分に有り得るストーリーです。20代前半で就職したとして、定年まで働くなら、同じ組織で50年弱働くことになるわけです。私、そんなの絶対にイヤです。そして、50年も組織が続く可能性もかなり低いです。
そんなわけで、自分のやりたいことを考えながら、自分の人生を2回、3回と主体的に選ぶことをこの本では提案しています。

私自身、50年どころか10年だって今の仕事を続けたいとは思ってないわけで、どうすればここから脱却できるかを四六時中考えています。でもこの本にも書かれている通り、大事なのは「どういう人生を選びたいか」をちゃんと思い描くことです。「これがイヤ!」じゃなくて、「これがやりたい!」に気づく。これってかなり難しいことですよね。今のところ、私には具体的イメージがありません。困ったぜ。

誰か(例えば会社や国)に任せる人生より、自分で選んだ人生の方がきっと豊かだと、私も思います。そのためには、この本に書かれている通り、どういう人生を歩みたいかを具体的に思い浮かべる必要があるし、市場で稼げる力を身につける必要がある。うーむ。耳が痛い。

とりあえず、従来の価値観にとらわれず、ちゃんと考えましょう>自分

2013年8月19日月曜日

書籍:スタンフォードの自分を変える教室(Kindle)

著者:ケリー・マクゴニガル
評価:☆☆☆☆☆
カウント:38冊目@2013

タイトルは自己啓発の系に見えますが、心理学的なアプローチで自分を変えていこう!という本です。タイトルの軽さに比べて、中身はなかなか興味深い内容です。

「何かをやろう」「何かをやらずにおこう」と考えているのにそれに挫けそうになった時、挫けそうになっているという事実をちゃんと認識したり、なんで挫けそうになっているのかを考えたり、なんで「○○をやろう」「やめよう」と思っていたのかを考えたりすることで随分変わってくる、という話なんかが出てきます。

こうやって結論だけを書くとなんかイマイチっぽいですが、心理実験をやった結果と併せて書かれているのが、結構面白いです。

読みやすい本なので、自分に負けそうになった時にまた再読したいと思います。

書籍:官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪(Kindle)

著者:牧野洋
評価:☆☆☆☆☆☆
カウント:37冊目@2013

著者の主張を簡単にまとめると、こんな感じでしょうか。

(1)日本の新聞は権力を監視するという公共の役割を果たせていない。
(2)アメリカの新聞業界も経営的に厳しい状況ではあるものの、NPOその他の形態として調査報道する組織ができるなど、権力監視の役割を確保すべく様々な試みがなされている。
(3)日本の新聞はニュースの正確性、情報の公開性等の意識が低すぎる。

警察や検察、企業からのリークに頼った報道が多いなぁ、くらいの感覚しか私は持ち合わせていなかったのですが、こうやって日米比較されると、日本の新聞がどれだけおかしな状況にあるかがよくわかります。

確かに、新聞が権力を監視しているとは到底思えません。政治家の失言とかを声高に叫ぶことはあっても、詳細な調査に裏付けられた報道なんて殆ど見ないですね。
雑誌がある程度権力監視的な役割を話しているのかもしれませんが、雑誌もどちらかと言うとセンセーショナルに偏っているので、ちゃんと客観的な報道をしているという感覚を持っている読者は少ないと思います。

ストーリーテリングでないというのもその通り。日経で女性の活躍に関する記事で女性がひとりも出てこない、という実例が本書で挙がっていましたが、衝撃的でした。そんな記事が成立するのか。

でも、アメリカ的ジャーナリズムが存在しないのであれば、そこはブルーオーシャンなはずで、ビジネス化することも可能なんじゃないだろうかと思ったり。ここ、自分の中でもう少し考えてみます。

広く読んでいただきたい本です。

2013年8月16日金曜日

雑感:NHKに受信料を返していただきたい件について

毎話見ていた、NHKのドラマ「激流~私を憶えていますか?~」が今週最終回を迎えました。
キャストが田中麗奈、山本耕史、ともさかりえ、桐谷健太、国仲涼子、武田真治、田中美佐子、賀来千香子(敬称略)とめちゃくちゃ豪華で、ミステリアスなストーリー展開でもあり、毎週楽しみに見ておりました。が、そのことを後悔しました。

このドラマ、中学の時の修学旅行で行方不明になった「冬葉」という同級生からメールが届くところから始まり、それをキッカケに同級生たちの人生の歯車が狂っていく、というお話でした。序盤~中盤は、同級生たちの生活が壊れていく展開が狂気じみた部分がありつつもリアルであり、見ていて惹きつけられました。

しかしながら、トータルで見ると、とにかく底が浅い。

最終話とその前の回で唐突に全ての謎が明かされるアンフェアすぎる展開。そして、田中美佐子氏と賀来千香子氏のキャラクタがとにかく身勝手すぎる。お二人が迫真の演技をされているので(褒めてます、念のため。ストーリー&台本がヒドい、と言ってるだけです)、視聴者的には「何馬鹿なこと言ってんの?」とどんどん冷めていきます。ドン引き。
そして、なんだかんだで同級生たちがみんなうまく人生の再スタートを切ったことになったのも意味がわかりません。取ってつけたようなハッピーエンド。ペラペラすぎる。

序盤緊迫度が高くて面白く、キャストも豪華であるにもかかわらず、最後が締まらない、というのはドラマとして最もやってはいけないパターンだと思います。昔、松嶋菜々子と竹野内豊の組合せで月9で放映された「氷の世界」を思い出しました。
8時間近く無駄にしたことをとにかく後悔しました。

受信料返せ!!!

映画:謎解きはディナーのあとで

監督:土方政人
評価:☆☆☆
カウント:25本@2013
公式サイト

豪華客船が舞台だし、キャストもめちゃくちゃ豪華なので、ドラマ版よりスケールアップしていることは間違いありません。キャストを見ただけで犯人の推測がつくドラマ版とはその辺りは違います。

が、特に面白くはないです。つまらないって程でもないです。可もなく不可もない映画をお金をかけて作りましたって感じ。

結構伏線張ってたりいろんなキャラクタの思惑が交錯したりしているのに、なぜイマイチ面白くなってないかというと、おそらく、スピード感が無いのと、謎の出し方と解き方との組み合わせ方が其々単独っぽくなっちゃってるせいじゃないかと思います。
結果として、ファントム・ソロスの謎とかケーキのくだりとかが、それぞれ取ってつけたような印象を与えることになっちゃってます。謎解きが始まって以降が長い。なんか、残念感満点。

ま、若年層向けの軽い映画なので、これくらいわかりやすい方がいいんだろうとは思います。そんなの見る前からわかってた話で、文句を言う私が間違ってる。間違いない。

2013年8月14日水曜日

雑感:夏なのに。

世の中お盆休みだそうですが、私は仕事です。

そんなに詰まってるわけじゃないですが、青い空とかを見るとどうしても休みたくなります。こまったこまった。

2013年8月12日月曜日

雑感:暑さの効能

信じられないくらい厚い日々が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

これだけ暑いと、とりあえず「本当に暑いですね」「こんな日に出歩くとか正気じゃないですよ」みたいなことを言えば大体会話が成立するので楽です。

書籍:ザ・バトル・オブ・バンカーズ(Kindle)

著者:広瀬隆雄
評価:☆☆☆☆
カウント:36冊目@2013

ドットコム・バブルの狂騒の中でアナリストとして身を立てようとするお話。

多分、広瀬さんの他の作品に比べると登場人物が多く、視点の切換えもあるので、ちょっと物語が複雑。願わくは、其々のキャラクターがもう少ししっかり描かれていると、読んでいて混乱が少なかったと思う(勿論、書き方の問題ではなく、読み手である私の理解力が低いだけ、という有力説はあります)。

しかしながら、物語としては、これまでの作品の中で一番おもしろく読みました。IT技術は私の専門に近い分野でもあるので、ATMやらルーターやら、通信技術が出てくる金融小説という存在に感動しました。金融系の話で技術が語られることってなかなか無いですよね。

生き馬の目を抜く金融業界にあって上に登ってには、メンタルの強さと運、タイミングの良さなんかが必要なんですね~。こういうのを読むと、私はなんて平和な世界でのほほんと生きちゃってるんだろうと愕然とするけれど。

書籍:30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと(Kindle)

著者:宇佐美典也
評価:☆☆☆☆
カウント:35冊目@2013

経済産業省を退職した(執筆時にはまだ現役官僚だったとのことですが)筆者が、元官僚の立場からキャリア官僚制度や政治と官僚との切り分け、天下り問題や日本の立て直し策などについて記した本です。

官僚バッシングはそこかしこでもう飽きるほど見ていますが、実際の官僚の立場から描かれた意見はあまり見かけないので、意見のバランスを取るためにも、こういう本は貴重だと思います。基本的な著者の立場は、「官僚バッシング、強すぎ!天下りとかキャリア官僚制度とか、問題もあるだろうけど、それらの制度のお陰でうまく動く部分もあるんだから、一概に悪いとは言い切れない」という感じですかね。

私としては、官僚バッシングに同調するものでは全くないし、これだけ官僚バッシングが続くと官僚たちのやる気が失われていくのもよくわかるので、著者の主張もある程度理解はできるのですが、ま、ちょっと官僚側から見過ぎかなぁ(叩かれている理由があと一歩理解できてないかなぁ)という気はします。ま、官僚側から書いた本なので、それでいいとは思うんですが。行政主導で国の再建を図る展望を持つ著者の主張も、私自身は全く賛成できませんが、1つの意見表明として存在意義はあると思います。

それはともかくとして、官僚たちの労働環境が劣悪なのは間違いありません。
(1)一流と呼ばれる民間企業(キャリア官僚たちが入れたはずの企業)より給料が安い。
(2)国会対応などが激務で殆ど帰れない。
(3)絶えずバッシングされる。
このような状況を改善すべきだという意見には、私も賛成です。(1)(3)はある程度やむを得ない部分があるにしても、もう少し業務量を緩和する方法を政治家や国民の方でも考えるべきじゃないかと思います。官僚に大きく依存してる一方で叩くとか意味がわかりません(私も含む)。

そして、ヒドい労働環境でも「国のために頑張ろう」なんて思って働き続けられるような人間たちばかりに、行政組織を運営してほしくはないです(当然に右傾化していくので)。

2013年8月5日月曜日

雑感:ドラマや映画の選び方(私の場合)

ドラマや映画を見る基準の1つとして、脚本家があります。私が好きな脚本家は

・岡田惠和氏(以前からずっと好きです)
・坂元裕二氏(最近、私の評価急上昇)
・渡辺あや氏(作品が少ないのが困ったものです)
・大森美香氏(最近、私の評価は下がり気味)

辺りですかね。これらの方々の脚本なら、6~7割くらいの確率で見ます。

映画監督でいくと是枝裕和監督はずっと大ファンです。あとは、そんなに見てるわけじゃないんですが、中村義洋監督も好きですかね。海外だと、クリント・イーストウッド監督作品はハズレがないように感じています。

相性が悪いのが三池崇史監督。それなりに見てますが、全然面白いと思えません。行定勲監督もイマイチ入ってこないですねぇ。

映画:天空の城ラピュタ

監督:宮崎駿
評価:☆☆☆
カウント:24本@2013

バルス祭りに乗っかって見ちゃいました。

何度も見てるはずなんですが、久々に見てみると、結構暴力的な映画だったんだなぁと驚きました。「パズー!!!」と叫ぶシータや目玉焼きトーストを食べるシーン、一緒に「バルス!!」と唱えるシーンなんかの、2人の微笑ましいシーンばかりが記憶に残っていたところ、実際には、戦ってるシーンが結構多い。巨神兵、強いですね~ゴリアテもなんか怖いですね~~

「見ろ、人がゴミのようだ」とのたまうムスカのシーンは大爆笑でした。よくもまぁあんなセリフを思いつくものです。

2013年8月3日土曜日

書籍:メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃(Kindle)

著者:牧野洋
評価:☆☆☆☆
カウント:34冊目@2013

著者は、インターネットによるニュースの発信をイノベーションと捉えた上で、既存のメディア(特に日本の新聞社)がイノベーションのジレンマに陥っている、と指摘しています。ハフィントン・ポストは、そのイノベーションにより生まれた新たなメディアである、という主張ですかね。

米ハフィントン・ポストに関しては、この本を読み始めてから少しアクセスするようになりましたが、まだコメントできるほど詳しくなっていないので、コメントしづらいです。でも、いろんなメディア(エンタメ系のゴシップもあれば政治経済ネタもあり、文章もあればビデオもある)がミックスされてるのは面白いし、日本のメディアとの報じ方の違いもあり、楽しんでいます。

日本の新聞社は、確かにビジネスモデルがイケてない。日経電子版、月4000円しますからね。殆ど宅配版と変わらん(4383円)。宅配サービスに配慮しすぎです。Wall Street Journalだと電子版は2300円くらいなんで、こっちに乗り換えようかと思うほどです(実際には、言語の壁が。。。(笑))。デジタル化の流れに積極的に乗って行かないと取り残されます。

また、内容が権力寄りってのもその通りだと思います。企業系の記事は殆どプレスリリースの内容と違いがないものが多いですし(それを、曲解した内容であることも多いですが)、政治家や企業取締役等に取材した内容ばかりで、消費者側の視点に立った記事はかなり少ないとは思います。
アメリカの記事と具体的に対比されると、日本のメディアの異常さをまざまざと感じます。日本のメディアは本当に気持ちが悪いし、こんな内容にお金を払いたくないな、と心の底から思わされます。こういった点について、具体例を挙げながら問題提起している点で、私には衝撃的な内容でした。

でも、この本の視点は、ちょっと米ハフィントン・ポスト側に寄り過ぎ&日本の既存メディアに批判的すぎるかなぁ、という気はします。日本の既存メディアがイケてないのは間違いないので、もう少し客観的な描き方の方が、むしろイケてなさが際立ったんじゃないかというのが個人的な意見です。

書籍:がん保険のカラクリ(Kindle)

著者:岩瀬大輔
評価:☆☆☆☆
カウント:33冊目@2013

基本的には、がん保険に特化せず、生命保険全般について説明している本。タイトルでは「がん保険のカラクリ」となっていますが、後半はがん保険についてはあまり触れられなくなります。

がん保険に関しては、「ムダでしょ」というのがこの本のスタンス。そして、生命保険に関しては、「入るなら健康なうちに」「年をとったら生命保険より貯金でしょ」「就労困難になった場合に備えましょう」辺りが、大まかなメッセージですかね。わかりやすい。詳しくは、本を読んでください。

前作「生命保険のカラクリ」よりも、今作「がん保険のカラクリ」の方が、若干ライフネット生命の宣伝色が強くなってますね(別にいいと思いますけど)。
それはともかく、似たような内容で2冊書く必要性があったかは、私には疑問です。

2013年8月1日木曜日

映画:マイ・ビッグ・ファット・ウエディング

監督:ジョエル・ズウィック
評価:☆☆☆
カウント:23本@2013

イケてないギリシャ系アメリカ人である主人公トゥーラが、アメリカ人であるイアンに一目惚れし、結婚するまでを描いた映画。イケてない女性が自分を変えようと決意して変えていく姿や、ギリシャ人の持つ家族観、結婚観が面白おかしく描かれています。

イアンはトゥーラに合わせるべく、ギリシャ正教の洗礼を受けたり(洗礼のシーンはかなり面白いです)、ギリシャ人の風俗を学んだりしていくわけですが、これって結婚後も長続きするのかなぁ?愛してるから、だけでは乗り越えられないほど大きな文化的差異があるような気がします。疲れそう。少なくとも、私にはちょっと難しそうです。

アメリカでロングランヒットになったのは知っていたのでもっと笑えるかなぁと思っていたのですが、それほどでもなかったです。ギリシャの風俗をもっとよく知っていたら「あるある」的にもっと楽しめたのかもしれません。

書籍:死神の浮力

著者:伊坂幸太郎
評価:☆☆☆☆1/2
カウント:32冊目@2013

「死神の精度」の続編。「死神の精度」は(お互いに関連性はあるものの)短篇集でしたが、今回の「死神の浮力」は長編小説です。
死ぬ1週間前から「見送り」か「可」かを判断する死神であるところの千葉が、子供を殺した本城への復讐を計画する山野辺夫婦と共に過ごすお話。

正直なところ、私は復讐ものって全く興味が無いので、復讐云々とか死がどうとか、そういう話はどうでもいいんですが、物語としては面白い。悪意を持つ本城と復讐を企てる山野辺夫婦との間の心理戦の要素(若しくは、本城サイドから次々に企てられる謎かけ的要素)があり、その駆引きの面白さに唸らされます。

復讐を企てる話なので全体に漂うトーンは暗いしシリアスなのだけれど、死神である千葉がユーモラスな空気を随時加えてくるので、読んでいてつらいということもありません。シリアスモードに偏ることもコメディモードに偏ることもなく、バランスがとても良いです。

いいんじゃないでしょうか。伊坂作品の中では、クオリティが高い部類に分類されると思います。

なお、前述の通り、私は復讐系の物語自体には何ら興味はないのですが、圧倒的な悪意があり、そこに対抗するモーメントを構築する話は好きです。もし、この話を悪意に対抗する話だと解釈するならば、この話は若干力不足かとは思います。