2013年8月1日木曜日

書籍:死神の浮力

著者:伊坂幸太郎
評価:☆☆☆☆1/2
カウント:32冊目@2013

「死神の精度」の続編。「死神の精度」は(お互いに関連性はあるものの)短篇集でしたが、今回の「死神の浮力」は長編小説です。
死ぬ1週間前から「見送り」か「可」かを判断する死神であるところの千葉が、子供を殺した本城への復讐を計画する山野辺夫婦と共に過ごすお話。

正直なところ、私は復讐ものって全く興味が無いので、復讐云々とか死がどうとか、そういう話はどうでもいいんですが、物語としては面白い。悪意を持つ本城と復讐を企てる山野辺夫婦との間の心理戦の要素(若しくは、本城サイドから次々に企てられる謎かけ的要素)があり、その駆引きの面白さに唸らされます。

復讐を企てる話なので全体に漂うトーンは暗いしシリアスなのだけれど、死神である千葉がユーモラスな空気を随時加えてくるので、読んでいてつらいということもありません。シリアスモードに偏ることもコメディモードに偏ることもなく、バランスがとても良いです。

いいんじゃないでしょうか。伊坂作品の中では、クオリティが高い部類に分類されると思います。

なお、前述の通り、私は復讐系の物語自体には何ら興味はないのですが、圧倒的な悪意があり、そこに対抗するモーメントを構築する話は好きです。もし、この話を悪意に対抗する話だと解釈するならば、この話は若干力不足かとは思います。

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