2012年4月13日金曜日

書籍:解任

著者:マイケル・ウッドフォード
評価:☆☆☆☆
カウント:43冊目@2012

オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏が、解任に至るまでの経緯を綴った本。
記載の薄さは否めないけれども、辞任に至る経緯はよく分かる。オリンパスの中心部が腐っているのも間違いない。他の企業だって、(粉飾しているかどうかは別としても)似たような文化の企業はたくさんあると思う。そして、マスコミも腐っている。日本という社会を、心から恥ずかしく感じました。たとえ少しずつでも何とかしたい。

ウッドフォード氏は菊川陣営の脇が甘さを不可解なものとして記述している。そもそもウッドフォード氏を社長にしなければよかったし、ウッドフォード氏に求められた資料を渡さなければよかったし、ウッドフォード氏をもっと早目に解任すれば良かった。こういった行動を取っていれば、きっとウッドフォード氏に告発されることなく(もうしばらくの間は)事態を水面下に留めることができたはず。それにも関わらずこのような事態を招いてしまったのは、菊川陣営の(日本人的?)脇の甘さに他ならないように感じる。
菊川陣営の行動は、ウッドフォード氏が慎重に物事を進め、尾行されているのでは無いかと心配し、危険を感じるようになってからあまり日本に帰らなくなった点と比べると、極めて対照的。
勿論、私の危機管理能力の低さ(脇の甘さ)には比べるべくもないです。私から見ると、ウッドフォード氏ってなんて危機意識の強い人なんだろうと思ってしまうけれど、一方でこれが世界標準のような気もする。

あくまで事態を隠蔽しようとし続けるオリンパス経営陣の対応もさることながら、マスコミの対応もヒドすぎる。なんなんだ、日本のマスコミの役割って。しばらく事態を取り上げなかった(小さめにしか扱わなかった)理由について、最低1週間は、1面掲載で自戒と今後の改善対応(マニフェスト)を書いて欲しいくらいです。
小沢一郎や亀井静香等も含め、渦中の人物たちの情報発信の場が既存メディアからニコニコ動画とかに流れつつある事態をもっと重く受け止めるべき。

この本を読んで受けた私の印象で根拠は無いのだけれど、全ての黒幕は銀行じゃないかと感じさせる。もしそうだとすれば、三井住友銀行から社長を迎えるなんてちゃんちゃらおかしい茶番劇です。是非、ウッドフォード氏に社長に復帰して、少しでも日本企業文化に開けた風穴を広げていただきたい。
そして、今回の事件を見ても、外から人材を登用する(オリンパスの社内、という意味ではウッドフォード氏は「内から」だけれど、国の外から、という意味で)ことの重要さは明らかです。失敗事例(ストリンガー@ソニーとか?)をことさら大きく解釈するのではなく、今回のような事例のもつ社会的意義を、皆がちゃんと把握する必要がある。

前述の通り、記載が薄いのは残念。今度出版される続編に期待。

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