著者:本田由紀、内藤朝雄、後藤和智
評価:☆☆☆
カウント:48冊目@2012
「ニート」を若者や親等の責任と捉える社会風潮に対して反論した本。いわゆる「ひきこもり」と同様の概念として捉える有識者(笑)たちやマスコミの認識の誤り、特に「ニート」の概念を日本で立ち上げた玄田氏ら主張に対し、データを示して痛烈に批判している。
この本を読むと、如何にマスコミや社会学者たちが適当に社会問題をでっち上げているかがよく分かる。イギリスからNEETという言葉を輸入したにも関わらず、意味合いや定義、問題点を全く変えて取り扱ってしまったこと、いわゆるひきこもり型のニートは全く増えていないこと、等を著者たちは次々と明らかにしている。
3人目の著者である後藤氏によるマスコミ論調の分析は、ものすごく面白い。マスコミの論調が如何に馬鹿げた内容であるかを、原文を示しながら痛烈に批判しているのは愉快。
一方、本田氏、内藤氏の主張はものすごく根拠が希薄で、その姿勢は、根拠無くニート問題をでっち上げた玄田氏やマスコミたちのものと同じです。どうせなら、ニート問題に対して反論したのと同程度以上に根拠を示しながら自分たちの主張を展開すべきだと考えます。
特に、本田氏(ちなみに、現東大教授)はあまりにも文章及び論理が稚拙すぎます。後半は根拠無く主張を展開して「思います」「思われます」「考えられます」を連発しているので、読者である私は辟易しました。学者としての資質を疑います(勿論、推測と事実とを混同するよりはマシですが)。
3人の中で圧倒的に若く、社会学者でもない(当時、工学部の大学院生)後藤氏の文章が一番マトモという悲しい事実は、もしかすると日本社会の現状(=中高年の能力が最も劣る)を端的に示しているのかもしれない、というのが、読了後に私が抱いた感想です。
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