訳者:村上春樹
評価:☆☆☆☆☆☆
カウント:100冊目@2009
よくできている。いろんなエピソードを組み合わせることによって、戦争がどのようなものか、戦争によって人間がどのように変化していくのかが描かれている。最後の訳者あとがきが的を射ているので、そこから引用。
オブライエンはもちろん戦争を憎んでいる。でもこれはいわゆる反戦小説ではない。あるいはまた戦争の悲惨さや愚劣さを訴えかける本でもない。この本における戦争とは、あるいはこれはいささか極端な言い方かもしれないけれど、ひとつの比喩的な装置である。それはきわめて効率的に、きわめて狡猾に、人を傷つけ狂わせる装置である。それがオブライエンにとってはたまたま戦争であったのだ。そういう文脈で言うなら、人はだれもが自分の中に自分なりの戦争を抱えている。そしてある意味では誰もが本当の戦争の話を語れるはずなのだ。(P392-393)
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