訳者:村上春樹
評価:☆☆☆☆☆
カウント:104冊目@2009
この作品は、確かに個人のありようみたいなものをしっかりと切り取れていると思う。かなりの分量はあるし、読みづらいところも多々あるけれど、それとは別に物語が強い。ベトナム戦争や冷戦の社会背景があって、そういった社会に対してどうやって関わっていくか、もしくは距離を置いていくか、どのように影響を受けるか。そういった個人のあり方が、ある程度ぐちゃぐちゃした主人公の世界観の中で切実に訴えかけてくる。
確かに、こういう作品ってなかなか見ない貴重な存在だと思う。
僕は新しいクラスメイトたちが凡庸という言葉の意味を実に大胆に磨きあげていることに驚嘆しないわけにはいかなかった。度しがたいほどの鈍さ。壮大なスケールの無知。そこには何かしら野心的なものさえ感じられたし、まったくのところ、それは霊感に満ちていると言ってもいいくらいのものだった。(PP124-125)辛辣(笑)
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