2013年7月27日土曜日

書籍:砂漠(Kindle)

著者:伊坂幸太郎
評価:☆☆☆☆☆
カウント:29冊目@2013

5人の大学生の入学から卒業までを描いた小説。1年春、2年夏、3年秋、4年冬と4つの話で構成されています。私はこの小説が結構好きで、何回か(多分3回?)の再読

なんといっても、「砂漠に雨を降らせる」西嶋氏の存在がこの小説には欠かせません。ちょっと長いですが、彼のスタンスを表すセリフを、引用します。
「たとえばね、あなたたちがタイムスリップしたとしますよね」
(中略)
「百年も昔に行くわけですよ。場所はまあ、日本でいいですよ。日本のどこかの田舎町に行くんですよ、で、その街で暮らすんですけどね」
(中略)
「で、そこで会った町民が病気で倒れるんですよ。謎の病気で、高熱で、死にそうなんですよ」
(中略)
「その時にね、あなたたちのポケットに抗生物質が入ってるんですよ。タイムスリップする前に、病院でもらった薬ですよ。でもって、それを町民にあげようかと思うんですがね、はたと気づいちゃうんですよ。この時代には抗生物質はまだ存在しないはずだから、ここで、抗生物質を使うことは、歴史を変えることになるのではないか、なんてね、思うわけですよ」
(中略)
「関係ないんですよ!歴史とか世界とかね。今、目の前にある危機、それですよ。抗生物質をあげちゃえばいいんですよ。その結果、歴史が変わったって、だからどうしたって話ですよ。抗生物質をあげちゃえばいいんですよ。ばんばん。みんなに広めちゃえばいいじゃないですか。あのね、目の前の人間を救えない人が、もっとでかいことで助けられるわけ無いじゃないですか。歴史なんて糞食らえですよ。目の前の危機を救えばいいじゃないですか。今目の前で泣いてる人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ」
素晴らしいです。私も、そう思う。

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