訳者: 鬼澤忍
評価:☆☆☆☆
カウント:103冊目@2010
本のタイトルが酷すぎて手に取らなかったのだけれども、普通の哲学書ということを知って読んでみました。原題通りのTitleであれば、もっと早く読んだのに。
幅広く哲学を取り上げるというよりは、功利主義、自由の尊重、美徳の3点に絞って正義を分析している。そして、結論を出していくというよりは様々な問題を出して読者に考えることを問う感じ。カントやロールズ等の主張には説得力はあるものの、どうしても机上の空論に見えるのに対し、
『私はどうすればよいか?』という問いに答えられるのは、それに先立つ『私はどの物語のなかに自分の役を見つけられるか?という問いに答えられる場合だけだ(P286)というアラスデア・マッキンタイアの言葉は力強く、目からウロコが落ちる思いでした。
しかし、本の出来となると、ちょっとわかりづらいかなぁという印象はある。日本の一般的な本と比べると構成はよく出来ているし、流れや並列関係も明確で、その辺りは流石だけれど、論旨の流れが(私の読解力では)飛躍しているように思えるところが結構多い。結論を本の最後まで明示しないことで、読んでいてフラストレーションが溜まるのも確か。
読んだタイミングが良かったです(数ヶ月前に読めばもっとよかったけれど)。やはり、時々哲学に関する本を読むのは精神衛生上好ましい。ぐちゃぐちゃした頭が整理される。
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