著者:伊坂幸太郎
評価:☆☆☆☆
カウント:11冊目@2013
車(緑のデミオ)からの目線で、その持ち主である望月家に起こる事件を描いた物語。Low、Drive、Parkingの3章に分かれており、それぞれで一応独立したオチがつけられてはいますが、完全にリンクしているので、ばらばらの短篇が3つ、というわけではありません。
通常であれば、サスペンス系の物語は、序盤にいろんな問題が起こり、ゴールに向かってそれらが少しずつ解けていって、メインの謎の解決がラストに来る、という構成になっていると思いますが、この本は全く違います。新たな事件がどんどん起こり続け、一応大きな謎は途中で解けるんだけど小さな謎は残りつづけ、それがずっと後で明かされる、という、謎が発生するタイミングとそれらに対する答えが明かされるタイミングとがそれぞれバラバラになるように作られています。もちろん、全ての謎はちゃんと明かされます。読んでいて、すごく新鮮でした。こういう本、読んだ記憶がないですね。良く構成された物語だと思いますし、こういう構成は好きです。
物語自体はライトでユーモラス。殺人事件が起きたり、望月家が脅迫?されたりするとはいえ、物語の語り手がデミオだったり、物語をメインで引っ張る亨少年(10歳)がユニークだったりするので、終始一貫して重たさはありません。エンターテインメントとして楽しめます。なにより私、亨少年のような大人びた頭の良さを持つ少年ってすごく好きなんですよね。10歳の子供に、不倫が何をするものなのか問い詰められたくはないですねぇ。
祖父が作った「太陽くん」の権利で生きている丹羽という男の「暇人をなめるな」というセリフはかなり笑いました。
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