著者:村上春樹
評価:☆☆☆☆
カウント:15冊目@2013
要約すると、高校時代の友人たちと疎遠になってしまった多崎つくる氏が再度彼らとの関係を見つめ直すことにより自分を取り戻そうとする話、ですかね。意味ありげなタイトルに、下手に宗教とか礼拝とかそういうのを絡めて来られたらどうしようかと不安に思っていたけれど、そういう心配が杞憂に終わってよかったです。
彼の小説としては短めなので、それほどテーマの広がりは感じませんが、相変わらず喪失とか喪失からの回復といったテーマは大きく扱われています。特に、「我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史」とか、「国境の南、太陽の西」のイズミのエピソードとかのモチーフを一部彷彿とさせる部分がありますね。
また、歳を重ねること、にも焦点を当てているような気がします。「国境の南、太陽の西」も子供の頃から大人になるまでを描いた小説ですが、そこに近い。でも、「国境の南、太陽の西」よりも孤独で、一方で普通。大学の時に地方から出てきて都会で暮らし始め、はじめは根無し草みたいだったけど徐々に東京の生活に慣れてきた自分のことを少し重ねあわせてしまいました。死を考えたり、孤独を感じたりする多崎くんを、友人の少ない私のような人間は身近な存在として受け入れられるんじゃないでしょうか。
この本の教訓をまとめると、完璧に見えるものも実は完璧ではないし、完璧なものは何処かに歪を生む。そして、時間は容赦なく流れていく。自分を受け入れ、過去を受け入れて、でも自分の本当に求めるものを探して生きていこう、って感じなのかなぁ。よくわからないけれど。
まだ1回しか読んでいなくて消化しきれていない気もするので、もう一度読みます。
0 件のコメント:
コメントを投稿