監督:三谷幸喜
評価:☆☆☆1/2
公式サイト
カウント:37本@2013
三谷幸喜監督による同名小説の映画化。信長亡き後の織田家をどうするか?が話し合われた清須会議(清洲会議)を舞台としたお話。個々の要素として素晴らしいのだけれど、映画全体として見た場合にはイマイチであることが否めないと思う。
俳優陣は見事。特に、大泉洋氏に関して言えば、「大泉洋劇場か?」というくらいそこかしこで存在感を発揮し、特徴のあるキャラクタを振りまき、笑いを取る。彼にはコメディ俳優としての天賦の才能があると思う。
その他の俳優陣も素晴らしいですね。役所広司氏も恋にうつつを抜かす姿は可愛げとユーモアがあって良いですし、その他、中谷美紀氏のはっちゃけた田舎娘っぷり、妻夫木聡氏のバカ殿っぷり、伊勢谷友介氏の冷静な姿勢は強く印象に残っています。こういった俳優陣の魅力をうまく引き出しているのはスゴイと思う。
世界観もゴージャス。「THE 有頂天ホテル」「ザ・マジックアワー」「ステキな金縛り」と続いてきた、どこかおとぎの国であるかのような、かわいくて温かみのある世界観が、きらびやかな衣装や小道具、鮮やかな映像の色彩(特に緑が印象的)などによって、時代劇である本作でもちゃんと実現されています。物語的要素を強めるこういう映像は、私は好きです。
が、ストーリーが弱い。
会議の山場はもう少し盛り上げられたんじゃないかと思うし、特に会議の決着がついて以降がダラダラダラダラと長すぎる。もっとさらっと終わって欲しい。結果として、全体のメリハリの少ない印象を与えることになったんじゃないかと思う。
そして、劇中、秀吉があまりに賢く、一方で柴田勝家がお人好しすぎるので、両者のバランスが取れていないことも、ストーリーが弱くなっている原因だと思う。せっかく会議という題材にしたのなら、もう少し両者の政治的駆引き的要素をバランスさせても良かったんじゃないかなぁという気がします。
加えて、大泉洋氏は三谷幸喜氏の世界観に合ってないように感じます。彼が単独であまりに面白い(顔、演技、キャラクタ)ので、三谷監督の世界観を必要としていないような気がする。秀吉というキャラクタ自体が全体から浮いていて(=強い印象を与えるキャラクタで)、更に大泉洋氏がその個性を存分に発揮しているので(褒めてますよ)、どうしても彼だけが別の世界観の上にいるような印象を受けてしまいます。この辺り、特に役所広司氏、佐藤浩市氏、鈴木京香氏辺りはかなり馴染んでいるので、その対比を考えるととても不思議に感じるのだけれど。
結論:なんだか、とてつもなくもったいない映画。
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