著者:伊坂幸太郎
評価:☆☆☆☆
カウント:54冊目@2013
文庫化(Kindle化)に伴う再読。父親が4人いる由紀夫とその父親を巡り、巻き起こる事件のお話。物語の要素を大きく分けると、
・不登校のクラスメート小宮山の物語
・友人鱒二が不良(牛蒡集団)に絡まれるお話
・ドッグレースで目撃した荷物とっかえ事件
・県知事選挙
あたりでしょうかね。これらが複雑に絡まり合いながら物語が進んでいきます。ハラハラストーリー展開に、父親4人を巡るドタバタコメディっぷりと、伊坂さんの得意とする謎解き要素とがうまく絡み合った展開となっています。
謎解き部分に関しては、めちゃくちゃ伏線が多い割にはその回収が最後に一気になされ、しかもそれらがいくつかのグループに湧かれているので、ちょっと荒いかなぁという気がします。もう少し個別の要素に一体感を持たせたり、伏線の回収タイミングをずらしたりといった方が私の好みです。
一方、父親4名を巡るドタバタ&ハートフルコメディっぷりはなかなか良いです。特に父親たちがそれぞれの個性を発揮しながらも、由紀夫を守るという1点に関しては全く揺るがない点が、心を揺さぶられますね。私は親子愛とかにかなり懐疑的な方ですが、それでもこの話が持つ説得力は否定できません。特に、クイズ番組での手旗信号は泣けますね(実際には泣いてません。念のため)。
この物語を構成する其々の要素たちは、それぞれかなりポテンシャルが高いと思うけれど、謎解きが荒いためにちょっと残念感が増している印象ですね。もっと面白くできたと思う。この家族を巡っての続編があるといいなぁと期待するものです。
ところで、本作を原作とする映画が近日公開予定です。岡田将生氏はかなりピッタリだと思うのだけれど(情景が簡単に思い浮かぶ)、父親たちのキャスティングはちょっと違いますよねぇ。勿論見てみないことには判断できませんが。
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