著者:江國香織
評価:☆☆☆☆
カウント:101冊目@2012
短篇集。源氏物語の「夕顔」の現代語訳を含むいろんな話があるので、共通のテーマがあるわけじゃなくて、いろんなところに掲載されたものを1冊の本にしたって感じなんだと思う。
江國さんの小説って、ここ5年くらいですごく進化しているなぁと感じるのだけれど、その流れを強く感じたものがいくつもありました。特に、本のタイトルにもなっている「犬とハモニカ」は、空港を舞台にいろんな人達の視点が交錯していて、それらの物語が微妙にかさなるんだけど、別に1つのまとまりとしてのストーリーを構成しているわけではない、そういう微妙な匙加減が味わい深かったです。こういう小説って、今までの彼女の小説では(少なくとも私の記憶する限り)なかったものだし、しかも、他でも見かけないオリジナルな構成だと思う。
女性的な目線や文体というのが江國さんの真骨頂だとは思っているけれど、男性目線も結構増えてきているなぁという印象を受ける。以前の彼女の男性主人公の小説(東京タワーや間宮兄弟)は「こんな男いないな」って感じだったけれど、そういう印象も薄れています。
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