評価:☆☆☆☆☆
カウント:95冊目@2012
久々の再読。村上さんが「文章を締めている」というのが、少し理解できました。かなり無駄のない文体ですね。他の本に比べると比喩の使用も少ない気がするし、ユーモアの配分もやや控えめ。
要約すると何も残らないような話だけれど、おそらく、その物語の過程に意味がある。どの部分が意味を持ち、どの部分が意味を持たないのかなんてわからないし、たとえ仕分けたとしても、それはあくまで仮説に過ぎない。ふぅむ。
そして、「ねじまき鳥クロニクル」や「海辺のカフカ」等の他の村上さんの小説では、主人公である「僕」の中の何かが、物語の過程を経て変化しているのが明示的だけれど、この話は、「ぼく」や「すみれ」の変化を明示的に示していない。何かが変わったのかもしれないし、変わっていないのかもしれない。面白いっすね。
いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです。現在の私のどこかに、この言葉が強くヒットしている。血は、流されなくてはならないし、きっと流れたんだと思う。
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