編集:「新潮45」編集部
評価:☆☆☆☆☆
カウント:2冊目@2014年
死刑判決を受けていた後藤良次氏が、「新潮45」の雑誌記者である著者に対して更なる殺人事件3件を告白し、それらの主犯とも言える男「先生」の存在を告げるところから始まる犯罪ドキュメント。
著者の視点で進んでいくので、どういう形で著者に事件が明らかになっていったのかというのが順序立ててわかります。臨場感がありますね。読み進めるのが怖いけれど、ついつい続きが知りたくなる。単行本出版時点では「先生」は逮捕されていなかったようですが、現在は逮捕、起訴されているようです(末尾部分で「先生」の実名及び裁判の状況等が説明されています)。
今回の話は、後藤良次氏が「先生」に対する恨みを持ったことから発覚しているけれど、両者がまだ仲良くやっていればずっと表面化することはなかったわけです(今回の事件も、後藤が告発した3件のうち、1件しか立件できていません)。尼崎でも、かなり長期間発覚しなかった大量殺人事件がありましたが、完全犯罪(表面化していない連続殺人事件)って、多分世の中にはいっぱいあるんだろうなぁ、という恐ろしさで背中がゾクゾクします。怖すぎる。
ついでに、尼崎の事件もこういう形で誰か纏めてくれないですかね?(死んでる人が多すぎるし主犯の被疑者も死んでいるし、生き残っている人たちもかなり逮捕/起訴されているので、踏み込めなさそうだけど)。
この本の最後に、著者により、雑誌の存在意義や、雑誌記者とテレビ/新聞の記者との違いについて述べられており、今回の事件は雑誌記者だからこそ踏み込んだ調査ができた旨が主張されていますが、おそらくそのとおりですね。警察/検察等の権力とテレビ/新聞の結びつきが強すぎるのは大きな問題です。できれば、記者クラブをなくすところから始めていただきたい。
いろいろと示唆に富んだ本なので、オススメします。
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