2008年11月7日金曜日

書籍:イノセント・ゲリラの祝祭

作者:海堂尊
評価:☆☆☆☆

前半は、前提を説明するための説明セリフが多い。そして、全体的に説教臭い。正直なところ、医療に、特に現場に全面的に信を置く姿勢にはある程度疑問を感じざるを得ない。そして、少なくとも法律学に関する知識は乏しいようで、法学は、海堂氏が考えるほど硬直的ではないと思う(法律の運用は硬直的だけど)。

でも、これは小説としての面白さは維持していると思う。海堂氏の小説の中では、チーム・バチスタ、ジェネラル・ルージュ以来の面白さ。様々な分野から、かなり専門的な会話が交わされているので、これがいい。そして、その会話は非常に政治的。論理的。そして、真剣。そして、最後にガツンとやっつける爽快感。幕引きもあっさり。こういう感じは私は好きです。ナンパで下手に情緒的なストーリーが多い中、久しぶりに社会の問題点を提起する小説を読んだ気がします。

官僚の問題点は常々感じているし、大体日頃から考えてる方向性での膠着ぶりなわけですが、それにしてもひどいよね。こういう風にストーリーをつけてもらうと、酷さが際立つっつーか、そしてそれなのにものすごく説得力を持ってるっつーか。ほんと、なんとかしたい。むしろ、戦いたい。

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