筆者:川口章
評価:☆☆☆☆
性差別は、私も日頃から考えているテーマでもありますし、第51回日経・経済図書文化賞受賞ということで、日経の書評で結構褒めていたので読んでみました。
統計学に関係する本を久々に読んだけれど、この扱いの公平性に感心。新聞の記事とかを読んでると、統計の扱い方が雑で、統計的に有意な相関関係があっても、因果関係の扱い方がどうなんだろうと思うことがしばしばあるところ、この本に関して言えば「こういう解釈もできるが、このデータにはこういうバイアスが入っている可能性がある」みたいな注釈をいちいち入れている点、好感が持てる。そして、日頃漠然と考えいた日本的雇用制度への違和感とか、性差別とかとの関係を明確にしてくれる点で気持ちいい。
WLB情報の開示を義務化すべき、との提言も賛成。私も、就職活動しているときに開示してくれればいいのに、といつも思っていました。でも、この提言の部分になって突然データの裏付けがなくなるのは違和感を感じる。どうせなら最後まで学術的な取扱いをしてほしかったのものです。
私はジェンダー差別には反対だし(でも、時々反射的に差別してしまう場面があるけれど)、専業主婦の存在を否定的に捉えている人間ですが、一方で、経済的な合理性も重要視しているので、こういう、経済的にジェンダー差別を取り扱った本が出てくることを非常に好感しています。ぜひ注目されて欲しい本。
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